フッ化物配合歯磨剤について!
みなさんこんにちは☆
今日は、フッ化物配合歯磨剤についてお話します。
フッ化物配合歯磨剤とは、フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)を含む歯磨剤です。
幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で、世界で最も利用人口が多い方法です。
日常的に適量のフッ化物配合歯磨剤を使って歯みがきをすることにより、口腔内にフッ化物を供給し、むし歯を予防します。
この歯磨剤は医薬部外品で、効能・効果として「むし歯の発生および進行の予防」の記載が、医薬品・医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律で認められています。
フッ化物配合歯磨剤の種類
剤型としてはペースト状が一般的ですが、その他にジェル状、泡状や液状があります。薬用歯みがき類製造販売承認基準によりフッ化物イオン濃度は1,500ppmF以下に定められており、1,450ppmF程度までのものが販売されています。
フッ化物イオン濃度としては1,450ppmF・950ppmFの製品が多く、子ども向けに500ppmF・100ppmFの製品も販売されています。
フッ化物配合歯磨剤の予防効果
世界的にも数多くの調査があり、むし歯予防効果(DMFS:むし歯になる歯の面の数として)は概ね24%と報告されています。
また、むし歯予防効果は歯磨剤に配合されるフッ化物イオン濃度に依存し、1,000ppmF以上の濃度では500ppmF上がるごとにむし歯予防効果が6%上昇するとされています。
この歯磨剤は他のフッ化物応用と重ねて使う機会が多くなります。
フッ化物歯面塗布との複合応用によって、歯面塗布のみの群に比べ、乳歯むし歯の減少率65%であったとの報告もあります。
成人・高齢者の根面むし歯に対しても、67%の予防効果があるとの報告をはじめ、多くの研究が重ねられており、根面むし歯の予防においても効果があると考えられます。
【フッ化物配合歯磨剤の安全性】
フッ化物配合歯磨剤の安全性は、洗口や吐き出しのできない年齢層の口腔内残留フッ化物量が問題となります。
ある研究によると、1~4歳児ではブラッシング後、49%が口をすすがず、また、すすいでも吐き出しができるのは2.5歳未満児で5%、2.5~4歳児で32%でした。
すなわち4歳以下では、使用した歯磨剤のほとんどを飲み込んでいるとみることができます。
一方、歯のフッ素症の発現リスクは、6歳以下の幼小児期に集中し、とくに、審美的に問題とされる上顎中切歯が歯のフッ素症にかかる臨界期は1~3歳であるので、低年齢児によるフッ化物配合歯磨剤の使用が「歯のフッ素症のリスク・ファクター」としての意義が論議されるのです。
「フッ化物配合歯磨剤の使用と歯のフッ素症」
*幼児によるフッ化物配合歯磨剤の飲み込みにより、歯のフッ素症の発現率とその症度が増加するかどうかが、水道水フロリデーション地域と非調整地域の両方で観察されました。
これらの研究では、2、3歳からという「早期使用」ほど、また「歯磨剤を好む、歯磨剤を飲み込む」という傾向にあるとき、水道水フロリデーション地域での「累積使用」が歯のフッ素症の有意な、あるいはそれに近い誘因としてあげています。
*フッ化物応用法が複合的に利用されている欧米諸国では、幼児による歯磨剤からのフッ化物摂取が歯のフッ素症の発現率や症度の増加に関るリスク・ファクターとして懸念されています。
そこで、WHOをはじめとする専門団体は、6歳未満児のフッ化物配合歯磨剤の使用に関するガイドラインを提示しており、そこには、両親による歯磨きの実施や監督、歯磨剤の「pea-size(豆粒大)」の使用量、小さな毛先部分を持つジュニア・サイズの歯ブラシの使用、歯磨剤チューブの供給口の縮小、および注意を促すラベル標示などが含まれています。
【6歳未満児におけるフッ化物配合歯磨剤の使用に関する注意事項】 |
6歳未満児におけるフッ化物配合歯磨剤の使用についての注意事項を列挙すると、つぎのようになります!!
(1)使用量はpea-size(豆粒大)で幼児用歯ブラシの1/2の量を規準とする。 (2)3歳未満では1日1回、3歳以上では1日2回(就寝時と他に1回)使用する。 (3)幼児が白分で磨くときは、適量の歯磨剤を保護者が歯ブラシにとり、ブラッシングの間、監督する。 (4)歯磨剤の吐き出しや洗口を練習させる。 (5)使用直後の飲食を控える、などです。 |
フッ化物配合歯磨剤は適正量を用いることで予防効果を発揮します。
使用量、使用方法を守り歯みがきを行うことをおすすめします!!